時間意識の改革例

介護業界では人材の不足と需要の高騰が災いして連日のように残業が問題として取り上げられている。介護職として長く活躍したいのにギリギリのラインで働いている人も多く、続かないと感じてしまう人もたくさんいるのではないだろうか。そのため、改善を求めるように指導されているケースも少なくない。その解決のために施設単位で改革に取り組んだ事例もあり、特に大きな投資をした訳ではなく、意識改革を主に行ったのが特徴だ。

残業問題の克服のために重視したのが残業時間に関する意識改革である。従業員が漫然と残業をするのを当然と思ってしまっている状況では残業を減らすことは難しいというのが基本的な考え方だ。まずは残業時間に何をしているかを毎日記録させていき、そのデータを集計したのである。そして、事務的な仕事が多く、介護記録をつけるなどの書類作成がメインになっているとわかり、それを正規業務時間の間に行えるようにやり方を提示したのだ。介護記録も記入の工数を減らせるように選択式の部分を増やすなどの配慮を行い、自由記入には最低限のことしか書かないガイドラインも作って対処したのである。

このような意識改革によって改善した例もあるが、少しコストをかけて専門スタッフを雇って解決したケースもある。施設で行われていることを全体的に把握し、介護サービスの実施状況をヒアリングして記録する担当者を雇ったのだ。これによってヘルパーたちは書類作成をせずに済むようになり、残業問題を克服するのに成功しているのである。長く活躍したいと思うのであれば、このように介護職の働き方などの改革に取り組んでいる職場に務めると良いといえる。